うづみ火
長谷川時雨
−−
【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)にぎわ敷《しき》
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)二洲|橋畔《けうはん》
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#「廴+囘」、第4水準2−12−11]
/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)どうして/\
−−
兩國といへばにぎわ敷《しき》所《ところ》と聞ゆれどこゝ二洲|橋畔《けうはん》のやゝ上手《かみて》御藏《みくら》橋近く、一代の富《とみ》廣《ひろ》き庭廣き家々もみちこほるゝ富人《ふうじん》の構えと、昔のおもかげ殘る武家の邸つゞきとの片側町《かたかはまち》、時折車の音の聞ゆるばかり、春は囘向院《えかうゐん》の角力《すまふ》の太鼓夢の中に聞《きい》て、夏は富士|筑波《つくば》の水彩畫を天《てん》ねむの後景として、見あかぬ住居《すまゐ》さりとて向島根岸の如き不自由は無《なく》、娘が望《のぞみ》かなひ、かの殿の内君とならば向河岸に隱宅《いんた
次へ
全9ページ中1ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
長谷川 時雨 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング