陣中日誌(遺稿)
附・戦線便り
山中貞雄
−−
【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)酒《チュウ》
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)[#ここから改行天付き、折り返して1字下げ]
/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)食いたい物いろ/\と
*濁点付きの二倍の踊り字は「/″\」
−−
遺書
[#ここから改行天付き、折り返して1字下げ]
○陸軍歩兵伍長としてはこれ男子の本懐、申し置く事ナシ。
○日本映画監督協会の一員として一言。
「人情紙風船」が山中貞雄の遺作ではチトサビシイ。
負け惜しみに非ず。
○保険の金はそっくり井上金太郎氏にお渡しする事。
○井上さんにはとことん迄御世話をかけて済まんと思います。
僕のもろもろの借金を(P・C・Lからなるせ[#「なるせ」に傍点]からの払ッて下さい。)
多分足りません。そこ、うまく胡麻化しといて戴きます。
○万一余りましたら、協会と前進座で分けて下さい。
○最後に、先輩友人諸氏に一言
よい映画をこさえて下さい。[#地付き]以上。
昭
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