から教えてもらったからズンズン進んだのである。今日の課程の如きでなく、当時は力次第で右の如く進むことが出来た。詩経あたりへ行くと、私は大概自分で読んで、わからぬ所を先生や父に聞くという位に行ったから、素読は何らむつかしいものとは思わなかったが、詩経で小戎の篇の小戎※[#「にんべん+戔」、76−7]収、五※[#「鶩」の「鳥」に代えて「木」、76−7]梁※[#「車+舟」、第4水準2−89−64]、游環脅駆、陰※[#「革+引」、76−7]※[#「沃/金」、76−7]続、文茵暢轂、という所と、韓奕の篇の王錫韓侯、淑※[#「族」の「矢」に代えて「斤」、第4水準2−13−78]綏章、箪※[#「竹かんむり/弗」、76−8]錯衡、玄袞赤※[#「臼/勿」、76−8]、鉤膺鏤錫、※[#「革+郭」、76−8]※[#「革+弘」、76−8]浅韈、仗革金厄、という所だけは読みにくかった。
 武芸の方は、まず剣術から始めたが宜いというので、三家中で橋本というに入門した。ここは新当流で宮本武蔵から伝った流だと聞いていた。この入門には寄親《よりおや》というものが入る。それで親類の奥平というのが、橋本の免状を得ている身分
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