純情小曲集
萩原朔太郎
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)情《つれ》なくして
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)|四つ葉《くろばあ》の
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#ローマ数字1、1−13−21]
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北原白秋氏に捧ぐ
[#ここで字下げ終わり]
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自序
やさしい純情にみちた過去の日を記念するために、このうすい葉つぱのやうな詩集を出すことにした。「愛憐詩篇」の中の詩は、すべて私の少年時代の作であつて、始めて詩といふものをかいたころのなつかしい思ひ出である。この頃の詩風はふしぎに典雅であつて、何となくあやめ香水[#「あやめ香水」に傍線]の匂ひがする。いまの詩壇からみればよほど古風のものであらうが、その頃としては相當に珍らしいすたいる[#「すたいる」に傍線]でもあつた。
ともあれこの詩集を世に出すのは、改めてその鑑賞的評價を問ふためではなく、まつたく私自身への過去を追憶した
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