丸傍点]。
何故ならば[#「何故ならば」に白丸傍点]、肉體を救ふことはその人間の[#「肉體を救ふことはその人間の」に白丸傍点]『神經[#「神經」に白丸傍点]』を救ふことであり[#「を救ふことであり」に白丸傍点]『良心[#「良心」に白丸傍点]』を救ふことであるから[#「を救ふことであるから」に白丸傍点]。
ああ、偉大なるドストヱフスキイ先生。
私はもうこの人のあとさへついて行けばいいのだ。さうすれば遲かれ早かれ、屹度私の行きつくところへ行くことができるのだ。私の青い鳥[#「青い鳥」に白丸傍点]を今度こそほんとに握ることができるのだ。
私はそれを信じて疑はない。だから私はどんなに苦しくてもがまん[#「がまん」に傍点]する。そして私はもつと苦しまなければならない。もつともつと自分の醜惡をむき出しにしなければならないのだ。
私の詩『笛』は前述のやうな事實のあつた少し後に出來たものである。これを書いたときには、何といふわけもなくブリキ製の玩具の笛のやうな鋭い細い音色を出す、一種の神經的に光つた物象が、そのときの私の感情をいたいたしく刺激したので、その氣分をそのまま正直に表現したので
前へ
次へ
全67ページ中40ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
萩原 朔太郎 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング