味での文明でもなく、芸術前派の日本にすぎない。況《いわ》んや文明の花であり、国語の精華であるべき詩が、日本に現在すべき道理がない。我々はその道を造って行こう。
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我れは踏まれたる石なり
家はその上に建つべし
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「詩人」という言葉は、我々の混沌《こんとん》たる過渡期にあっては、実の芸術家を指示しないで、むしろ文明の先導に立つ、時代の勇敢なる水先案内――航海への冒険者――を指示している。新体詩の当初以来、すべての詩壇が一貫してきた道はそうであった。彼等は夢と希望に充ち、異国にあこがれ、所有しないものへの欲情から、無限の好奇心によって進出して来た。彼等は太平洋の岸辺《きしべ》に立って、大陸からの潮風が吹き送る新日本の文明を、いつも時代の尖鋭《せんえい》に於て触覚していた。そしてこの島国をあの大陸へ、潮流に乗って導こうと考えていたところの、真の夢想的なる、青春に充ちたロマンチストの一群だった。
 しかしながらこのロマンチストは、我々のあまりに現実主義的なる、あまりに夢を持たない俗物の文壇から、常に冷笑の眼で眺《なが》められ、一々侮辱されねばならなか
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