解している。西洋人の思惟《しい》によれば、日本人は戦争好きの国民であり、軍国主義と武士道の典型であると考えられている。もちろん近年に於ける日本は、政府の方針から多少軍国的に導かれた。またその同じ教育から、多少|或《あるい》は国民が好戦的になったか知れない。しかし国民性の本質が、内奥に於て如何《いか》にその外観とちがっているかは、かの日清《にっしん》・日露等の役《えき》に於ける兵士の軍歌(雪の進軍と、此処《ここ》は御国を何百里)が、歌曲共に、哀調悲傷を極めているに見ても解る。一方でドイツの軍歌「ラインの守」が、いかにリズミカルで勇気に充ち、威風堂々としているかを見よ。日本人がもし真に好戦的だったら、ああした哀調悲傷の歌曲は、決して行進の軍歌として取らないだろう。
 さらにより[#「より」に傍点]大きな誤謬《ごびゅう》は、日本人の武士道に対する偏見である。確かに日本人の武士道は、社会の或る一部である、少数の武人の中に発達した。それは確かに著るしく、世界的に異常のものであるかも知れない。けれども一般の民衆は、この点の教養から除外され、全然武士道的な精神をもっていない。そしてまたこの点でも、日
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