、詩としての第一条件を失格している。何よりも最初に、著者はこれを自分自身に就いて言っておく。なぜなら著者自身が最初に失格している詩人であるから。実に著者の悲しむことは、自分の過去のあらゆる詩が――極《ご》く少数の作を除いて――一も真の音律的魅力を持たず、朗吟に堪えないことである。(著者はこの点を明らかにしておく。自分は常にどんな時にも、自己弁護や排他のために考えるのでなく、真理の公明正大を愛するために、邪説や詭弁《きべん》を憎悪《ぞうお》するのだ。故《ゆえ》に著者にとってはいやしくも正理を昧《くら》ます一切は――自分であっても他人であっても――悉《ことごと》く致命的にやっつけねば気がすまないのだ。)
 しかし著者自身について悲しむより、一般の詩壇について見る時、この失望は尚《なお》甚だしい。実に現にある口語詩の大部分は、殆ど何等の音律的魅力を持っていない。だれの詩を見ても皆同じく、ぼたぼた[#「ぼたぼた」に傍点]した「である」口調の、重苦しい行列である。それらの詩語には、少しも緊張した弾力がなく、軽快なはずみ[#「はずみ」に傍点]がなく、しんみり[#「しんみり」に傍点]とした音楽もない
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