柔軟可動の自由を愛し、内容を本位とするものであるのに、クラシズムは情緒を排し、感傷的気分を嫌《きら》い、そして均斉、対比、平衡、調和等の、数学的法則による形式を重要視する。クラシズムの表現が欲するものは、何よりも骨骼のがっしり[#「がっしり」に傍点]した、重量と安定のある、数学的|頑固《がんこ》を持った、言わば「物に動ぜぬ直立不動の精神」である。それは一切の弱々しいもの、柔軟のもの、骨組みのぐにゃぐにゃ[#「ぐにゃぐにゃ」に傍点]したもの、女らしく繊弱なものを跳《は》ね飛ばすところの、男性的ストアの美を要求する。故にクラシズムの精神は、正に「独逸《ドイツ》軍隊の行進」である。どっしり[#「どっしり」に傍点]として大地を蹈みつけ、歩調に力があり、数学的正確の規律を以て、真にリズミカルに堂々と行軍する。(近代の諸国に於ける所謂「軍隊精神」なるものはすべて独逸国の創造になる。それはクラシズムと、科学的精神とを、帝国主義に於てビスマルクが芸術化した。)
 こうしたクラシズムの精神は、正に権力感情の表象であり、すべてに於て貴族的な尊大感を誇示している。即ち本質的に形式主義で、勿体《もったい》ぶっ
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