ージ]
形式論
第一章 韻文と散文
詩とは「詩的精神」が「詩の表現」を取ったものであることを、本書の始めに於て述べておいた。詩的精神は内容に属し、詩の表現は形式に属している。ところで詩的精神の何物たるかは、以上既に説き尽した。以下|吾人《ごじん》は、主として詩の表現形式について考えよう。
しかしながら芸術に於ける内容と形式とは、一枚の板の裏と表、人物とその映像、実体と投影のようなものであって、一方の裏を返せば一方が出、一方が動けば他方も動き、相互に不離必合の関係になっている故《ゆえ》、既に詩の内容について学んだ読者は、これが映像さるべき詩の形式が、およそ大体に於てどんなものかを、説明以前に推察することができるだろう。しかしとにかく、説明を続けなければならない。
第一に言うべきことは、言語はすべて関係であり、比較に於てのみ、実の意味をもつということである。故に絶対の意味で差別さるべき、詩と詩でないものとの関係は、決して事実上に有り得ない。ただ抽象上の概念としてのみ、吾人はかかるものを考え得る。そこで今、広く事実について見れば、殆《ほとん》ど大抵の文芸は、
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