ふうぼう》を感じさせる作家が、殆ど稀《ま》れにしかいないのである。日本のたいていの作家は、単に文士 Writer という雑駁《ざっぱく》な感銘をあたえるのみである。けだし日本は、三千年来世界と孤立した特殊国で、文物と国風の一切がちがっており、全くユニックに発育した国であるのに、最近外国からの文化が渡来した為、何もかも無茶苦茶の混線となってしまったのである。――雑駁のもの、あにただ今日の文士のみならんや。――以下日本の特殊文学を考えるため、先《ま》ず我々の国民性から説いて行こう。
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日本人の著るしい特色は、極《きわ》めてレアリスチックな国民であるということである。天気晴朗、鳥の空に囀《さえ》ずる日に、何ぞ明日のことを悩まんやという、極めて楽天的な現実思想は、古来から日本人に一貫している。故に日本人は、宗教的な気風や哲学的の瞑想《めいそう》を全く持たない。日本のあらゆる文化は、昔から徹底的な現実主義《レアリズム》で特色している。例えば詩を見ても、この点が西洋と著るしくちがっている。西洋の詩は、一般に観念的・瞑想的であるけれども、日本の詩は極めて現実的で、日常生活の別
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