を兼ね、母性に対して情婦の愛嬌を兼ねるところの、二重の情操を要求して居る。だが不幸にして、自然は一つの徳に二つをあたへず、そんな慾ばつた要求を聴いてくれない。我々の新しい東洋人が、おそらくはまたそれによつて、古き西洋の悔恨を嘗め、彼等の大多数を憂鬱にしてゐるところの、あの家庭地獄を経験せねばならないだらう。
底本:「日本の名随筆83 家」作品社
1989(平成元)年9月25日第1刷発行
底本の親本:「萩原朔太郎全集 第四巻」筑摩書房
1975(昭和50)年7月
入力:土屋隆
校正:noriko saito
2004年8月10日作成
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。
前へ 終わり
全4ページ中4ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
萩原 朔太郎 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング