れが爲めさう云ふ酷い目に會ふので、人民の性質が惡いから自から滅びるのだと云ふ説を以て頻りに人民の方の攻撃がございますけれども、之は皆買收する方の即ち四十八萬兩の運動者が觸れて歩くのでございまして、人民は如何に意氣地なしだらうが愚だらうがそれは問題でない、人民の愚なものがある所、知識の低い所、天産に衣食するが爲め經濟其他法律上權利の研究と云ふことの乏しい人民であるから自由自在になる、此土地を茲で買收と稱してフンダクツてやらうと云ふ惡黨奴等の擧動が詐僞に當つて居るぞ、盜賊の所爲に當つて居るぞ、殆ど戰爭をする如く、谷中村を攻取るが如き行爲を爲す、此惡業が惡いと云ふのでございます、之が問題である、人民の意氣地のないのが問題でない。(拍手)
△侮辱[#「侮辱」に丸傍点]、虐待[#「虐待」に丸傍点]、嘲弄[#「嘲弄」に丸傍点]、瞞着[#「瞞着」に丸傍点]
然らば詰り何をするかと云ふと土地を兼併するのでございます、人民が谷中村と云ふ所に多い割になつて居りますけれども、之に手を入れて堤防を堅牢にして人口を多く致しますと云ふと田地の價が一反歩八百圓九百圓と云ふ値が出ぬに限らぬ、今日と雖も
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