との説明、それでは平凡で面白くない、表装ばかり奇麗で、内容がゼロのため少しも売れない古本と同じ芸妓を、円本芸者と呼ぶことにならないかネ――、とやったので「どこまでもですナー」と一座哄笑
円本関係の裏面談
これより以下は、円本出版屋に関係した事、円本予約者に関係した事、円本の残本を買取ったゾッキ屋(残本を仕入れて各地方の本屋へ売ったり、市内の露店商人等に売ることを専業とする問屋)の事などを記述するのである
但し前記の「害毒の十六ヶ条」中にも裏面談がある如く、此裏面談の中にも害毒論が混じて居る
裏面談は以下に記述する外、マダ幾許でもあるが、大同小異の事であり、或は指名して具体的に書かねば面白くない事もあり、或は事実に相違なきか否かを偵察せねばならぬ事などもあるので、総て省いた、蚊士と出版屋との間に於ける瑣談は多くあるがいずれも俗界の常事、採録する程の事でもない、今後見聞した中に珍談奇事があれば後日『円本全滅記』刊行の時にでも記述する
釣られた予約者の多かった理由
円本出版屋が出した諸新聞紙上の大広告に釣られ、其内容見本のソソリ文句に釣られ又取次店の甘言に釣られた天下の衆愚が、潮の如く殺
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