流れこみ
海の上で眼がさめたやう
大洋のやうな夜の上には
星がキラ/\
赤ん坊はぬくとい
股引のまゝで
圓い足を空に向けて
御母さまの腕の上に
すつぽりはまつて
しつこする。
地球の生地
見ろ、見ろ
何處にでも地球の生地はまる出しだ。
例へば
澤山な子持の青白い屑屋の女房は
寒い吹き晒らしの日蔭の土間で
家中にぶちまけられた襤褸やがらくたを
日がな一日吟味し形付ける。
大きな籠の中からとり出すのは
つるのこはれた鐵瓶や錆の出たブリキ製の御飯蒸し
かうやくを澤山張つた埃だらけな硝子のかけら
もう日が暮れるのに家中明け放しの中で
どう仕末がつくことと思はれる冷たいがらくたを
一手に引受けて一々選り分け仕末する。
たまには小供も仆れて泣いて來ようし
乳をねだりに遣つて來ようし
家のしきゐには女の子が二人腰掛けて、
駄菓子をかじり乍ら眺めてゐる。
凍つた道の上には狹い家の中から追ひ出された、
ボロ/\な男の子が相撲をとつてゐる
この寒いのに轉んだり、手をついたり
着物はよごし方題、體は怪我し方題
見ろ、見ろ
どこにでも地球の生地は丸出しだ。
櫛
私の家では
久しぶりに
夜中に妻
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