を見てゐるのだ。
自分も内に優しい力が生じ、勢ひが加へられた。
自分は詩人だ。
一篇の詩をこの宴會に捧げようと思つた。
[#地から1字上げ](十一月二十五日)

  三人の小供

何處から來たのか
蝶々のやうに見馴れ無い三人の小供が原へ來てゐる。
メリンスの美しい着物の五つ位の二人の女の子と
同じ年頃の男の兒と
三人はいつでも一緒にかたまつて遊んで居る。
道側の原の小さな崖崩れの上を飛び越しても、原へ立つても
又原へ下りて往來へ出ても三人はいつも一緒になつてしまふ。
運命が三人を一つにして居るやうに、皆んなの衣物が觸れ合つて居る
彼等は餘り騷が無い、
何か一つするとすぐ運動を休んでしまふ
向ひ合つて默つて並ぶ。
女の兒と女の兒が小聲で話して居る
男の兒はおとなしく默つて傍に立つて居る
一人の女の兒が崖崩れに辷つて轉がつた
手をかさうとすると一人で起き上つた。
泣か無いので感心だと思つた。
三人は原へ行つて立つて
そこで女の兒はシク/\泣いて居た
自分の方を見乍ら、惡かつたやうな氣がした。
男の兒は妙な顏をして自分を見て笑つた
泣くのは可笑しいと云ふ風に、
自分も默つて笑つた。
女の兒は
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