》」fappi
[#行頭二字下げで二行目以降三字下げ、ここまで]
[#一行目二字下げ、次の行から三字下げ]
入声の語尾tは、
ア行ヤ行ワ行音の前では促音となり次の音はタ行音に変ずる。「闕腋」ket−eki→ketteki「発意」fot−i→fotti「八音」fat−in→fattin
カ行サ行タ行音の前では促音となる。「別体」bettai「出世」shut−she→shusshe「悉皆」shit−kai→shikkai
ハ行音の前では促音となり同時にハ行音はパ行音となる。「実否《ジツフ》」jit−fu→jippu
[#字下げここまで]
 以上は漢語の、支那における発音に基づいたものであって、勿論多少日本化しているのであろうが、多分平安朝以来用い来《きた》ったものであろう。中に、ンあるいは入声tの次のア行ヤ行ワ行音がナ行音(またはマ行音)あるいはタ行音に変ずるのは、上のn(またはm)あるいはt音が長くなってそれが次の音と合体したためであって、かような音転化を連声《れんじょう》という。かような現象は、漢語にのみ見られたのであるが、後には、助詞「は」および「を」がン音または入声のtで終る語に接
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