ヘ私ばかりでない、私の友人は大抵皆然うであったから、皆此頃からポツポツ所謂《いわゆる》「遊び」を始めた。私も若し学資に余裕が有ったら、矢張《やッぱり》「遊」んだかも知れん。唯学資に余裕がなかったのと、神経質で思切った乱暴が出来なかったのとで、遊びたくも遊び得なかった。
 友人達は盛《さかん》に「遊」ぶ、乱暴に無分別に「遊」ぶ。其を観ていると、羨《うらや》ましい。が、弱い性質の癖に極めて負惜しみだったから、私は一向|羨《うらや》ましそうな顔もしなかった。年長の友人が誘っても私が応ぜぬので、調戯《からかい》に、私は一人で堕落して居るのだろうというような事を言った。恥かしい次第だが、推測通りであったので、私は赫《かっ》となった。血相《けっそう》を変えて、激論を始めて、果は殴合《なぐりあい》までして、遂に其友人とは絶交して了った。
 斯うして友人と喧嘩迄して見れば、意地としても最う「遊」ばれない。で、不本意ながら謹直家《きんちょくか》になって、而《そう》して何ともえたいの知れぬ、謂《いわ》れのない煩悶に囚《とら》われていた。

          四十二

 ああ、今日は又頭がふらふらする。此
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