ゥら、
「……にもお芋があって?」
「有りますとも。」
「じゃ、帰っても不自由はないわねえ。」
 と又|微笑《にっこり》する。
 私も高笑いをした。雪江さんの言草が可笑《おかし》かったばかりじゃない。実は胸に余る嬉しさやら、何やら角《か》やら取交《とりま》ぜて高笑いしたのだ。
 それから国の話になって、国の女学生は如何《どん》な風をしているの、英語は何位《どのくらい》の程度だの、洋楽は流行《はや》るかのと、雪江さんは其様《そん》な事ばかり気にして聞く。私は大事の用を控えているのだ。其処《それどころ》じゃないけれど、仕方がないから相手になっていると、チョッ、また松の畜生《ちくしょう》が邪魔に来やがった。

          三十八

 松が来て私はうんざりして了ったが、雪江さんは反《かえ》って差向《さしむかい》の時よりはずみ出して、果は松の方へ膝を向けて了って、松ばかりを相手に話をする。私は居るか居ないか分らんようになって了った。初は少からず不平に思ったが、しかし雪江さんを観ているのには、反て此方が都合が好《い》い。で、母屋《おもや》を貸切って、庇《ひさし》で満足して、雪江さんの白いふ
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