な音《ね》が出ます……アアアアつまらない心配をした、此方ではどこまでも実の甥と思ッて心を附けたり世話を焼たりして信切を尽していても、先様じゃア屁《へ》とも思召《おぼしめ》さない」
「イヤ決してそう言う訳じゃア有りませんが、御存知の通り口不調法なので、心には存じながらツイ……」
「イイエそんな言訳は聞きません。なんでも私《あたし》を他人にしてお出でに違いない、糞老婆《くそばばあ》と思ッてお出でに違いない……此方はそんな不実な心意気の人《しと》と知らないから、文さんも何時までもああやッて一人《しとり》でもいられまいから、来年母親さんがお出でなすったら篤《とっく》り御相談申して、誰と言ッて宛《あて》もないけれども相応なのが有ッたら一人《しとり》授けたいもんだ、それにしても外人《ほかびと》と違ッて文さんがお嫁をお貰いの事たから黙ッてもいられない、何かしら祝ッて上げなくッちゃアなるまいからッて、この頃じゃア、アノ博多《はかた》の帯をくけ直おさして、コノお召|縮緬《ちりめん》の小袖《こそで》を仕立直おさして、あれをこうしてこれをこうしてと、毎日々々|勘《かんが》えてばッかいたんだ。そうしたら案外で
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