られんじゃないか」
「それじゃ何故|先刻《さっき》叔母や|お勢《カズン》のいる前で、僕に『痩《やせ》我慢なら大抵にしろ』と云ッた」
「それがそんなに気に障ッたのか」
「当前《あたりまえ》サ……何故今また僕の事を明治年代の丹治即ち意久地なしと云ッた」
「アハハハ弥々《いよいよ》腹筋《はらすじ》だ。それから」
「事に大小は有ッても理に巨細《こさい》は無い。痩我慢と云ッて侮辱したも丹治と云ッて侮辱したも、帰するところは唯《ただ》一の軽蔑《けいべつ》からだ。既に軽蔑心が有る以上は朋友の交際は出来ないものと認めたからして絶交を申出《プロポーズ》したのだ。解ッているじゃないか」
「それから」
「但《ただ》しこうは云うようなものの、園田の家と絶交してくれとは云わん。からして今までのように毎日遊びに来て、叔母と骨牌《かるた》を取ろうが」
 ト云ッて文三冷笑した。
「|お勢《カズン》を芸娼妓《げいしょうぎ》の如く弄《もてあす》ぼうが」
 ト云ッてまた冷笑した。
「僕の関係した事でないから、僕は何とも云うまい。だから君もそう落胆イヤ|狼狽《ろうばい》して遁辞《とんじ》を設ける必要も有るまい」
「フフウ|嫉
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