」
ト云ッてその証拠立の為めにか、胸で妙な間投詞を発して聞かせた。
「何故《なぜ》またそう Despair《デスペヤ》 を起したもんだネ」
「Despair じゃー無いが、シカシ君面白く無いじゃーないか。何等の不都合が有ッて我々共を追出したんだろう、また何等の取得が有ッてあんな庸劣《やくざ》な奴ばかりを撰《えら》んで残したのだろう、その理由が聞いて見たいネ」
ト真黒に成ッてまくし立てた。その貌を見て、傍《そば》を通りすがッた黒衣の園丁らしい男が冷笑した。文三は些《すこ》し気まりが悪くなり出した。
「君もそうだが、僕だッても事務にかけちゃー……」
「些し小いさな声で咄《はな》し給《たま》え、人に聞える」
ト気を附けられて俄《にわか》に声を低めて、
「事務に懸けちゃこう云やア可笑《おか》しいけれども、跡に残ッた奴等に敢《あえ》て多くは譲らん積りだ。そうじゃないか」
「そうとも」
「そうだろう」
ト乗地《のりじ》に成ッて、
「然るに唯《ただ》一種事務外の事務を勉励しないと云ッて我々共を追出した、面白く無いじゃないか」
「面白く無いけれども、シカシ幾程《いくら》云ッても仕様が無いサ」
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