《うず》めて、身動きをもせずに静《しずま》り返ッて黙想していたが、忽《たちま》ちフッと首を振揚げて、
「ヒョットしたらお勢に愛想《あいそ》を尽かさして……そして自家《じぶん》の方に靡《な》びかそうと思ッて……それで故意《わざ》と我《おれ》を……お勢のいる処で我を……そういえばアノ言様《いいざま》、アノ……お勢を視た眼付き……コ、コ、コリャこのままには措けん……」
 ト云ッて文三は血相を変えて突起上《つったちあが》ッた。
 がどうしたもので有ろう。
 何かコウ非常な手段を用いて、非常な豪胆を示して、「文三は男児だ、虫も胆気もこの通り有る、今まで何と言われても笑ッて済ましていたのはな、全く恢量大度《かいりょうたいど》だからだぞ、無気力だからでは無いぞ」ト口で言わんでも行為《ぎょうい》で見付《みせつ》けて、昇の胆《たん》を褫《うば》ッて、叔母の睡《ねぶり》を覚まして、若し愛想を尽かしているならばお勢の信用をも買戻して、そして……そして……自分も実に胆気が有ると……確信して見たいが、どうしたもので有ろう。
 思うさま言ッて言ッて言いまくッて、そして断然絶交する……イヤイヤ昇も仲々|口強馬《くち
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