らになるのも何もかも己には嫌だ。ほんとに死が何も無くなるものであるということが確かめられているか。いまい。かえってもろ/\の宗教や哲学は死が真の滅亡でないと言っている。己にはそれが心配だ。己にはそれが心配で死ぬことも出来ず、毎日牢獄の一つである新聞社に通って、囚人のように働き、囚人のように飯を食い、せめては酒を飲み、くだらない文章をつづり、またお前という女とも恋らしいものをしてみているのだ。厭世的な享楽主義とでもいう奴があれば、言わしておくさ。厭世どころでないのだ。そんな「厭世」という意義からが厭でならないのだ。静子、何んだかもう書くのも厭になって来た。もう止そう。書きはじめるときはもう少し可愛い即興で書きはじめたのだが、とう/\こんなものになってしまった。おいで、せめて酒でも飲んでお前でも抱くのがせめてものことだ。せめてものことに世界中の富が欲しいね。そうして世界中の人類を買収して、地上全体に大爆発を起こして人類といういじ/\した生物だけでも絶滅するんだがね――それにしても人類がなくなればまた何か変梃《へんてこ》[#「変梃」は底本では「変挺」]なものが出て来るかも知れないね。それを想
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