は月足らずの男の児を生んだ。その児を仕方なしにその男が育て上げねばならなかった。成長するにつれてその少年はどこか普通の少年と異常で、何よりも労働を嫌がった。野良へ追い出しても草原に寝そべって青い空に吸われるように見入っていて草一つ※[#「てへん+毟」、第4水準2−78−12]《むし》ろうとしない。彼が十六の年、彼の親の小作人は「乾鰮《ほしか》のように」黒く瘠せ枯れて死んでしまった。親が死んでから彼は小さな家に閉じ籠って仕事をしようとしなかった。村の人達が行っていろいろ意見するが、恐ろしい顔をして「馬鹿!」と怒鳴りつけて寄せつけない。村の人達の話によれば、次のような会話が幾度となく取り交されたというのだ。
「どうしてお前はそんなに怠けているのだ。親爺が死んだらお前が親爺のあとをついで家を立ててゆかなくちゃなるまい、え。お前の親爺はいい働き手やった。その子のお前じゃないか。働いて大きうなって嫁を貰って一家を立てて行かなくちゃならんではないか」
「誰が働くものか!」
「働きとうなくても、吾々のような貧乏人は働かなくては食えないのだ。そこを諦めて働かなくてどうする」
「厭だ! 働いて親爺のよう
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