さうおう》に勢力《せいりよく》を有《いう》し且つ身分《みぶん》不相応《ふさうおう》にのンき[#「のンき」に傍点]なり。世《よ》に気楽《きらく》なるものは文学者《ぶんがくしや》なり、世《よ》に羨《うらや》ましき者《もの》は文学者《ぶんがくしや》なり、接待《せつたい》の酒《さけ》を飲《の》まぬ者も文学者《ぶんがくしや》たらん事を欲《ほつ》し、落《お》ちたるを拾《ひろ》はぬ者も文学者《ぶんがくしや》たるを願《ねが》ふべし。
然《しか》るに世《よ》にすね[#「すね」に傍点]たる阿呆《あはう》は痛《いた》く文学者《ぶんがくしや》を斥罵《せきば》すれども是れ中々《なか/\》に識見《しきけん》の狭陋《けふろう》を現示《げんじ》せし世迷言《よまいごと》たるに過《す》ぎず。冷静《れいせい》なる社会的《しやくわいてき》の眼《め》を以《もつ》て見《み》れば、等《ひと》しく之れ土居《どきよ》して土食《どしよく》する一ツ穴《あな》の蚯蚓《みゝず》※[#「虫+鰌のつくり」、第4水準2−87−64]※[#「虫+齊」、第3水準1−91−69]《おけら》の徒《ともがら》なれば何《いづ》れを高《たか》しとし何《いづ》れを
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