》爛《たゞら》してヤレ沙翁《シヱークスピーヤ》は造化《ざうくわ》の一人子《ひとりご》であると胴羅魔声《どらまごゑ》を振染《ふりしぼ》り西鶴《さいくわく》は九皐《きうかう》に鳶《とんび》トロヽを舞《ま》ふと飛《と》ンだ通《つう》を抜《ぬ》かし、何《なに》かにつけては美学《びがく》の受売《うけうり》をして田舎者《いなかもの》の緋《ひ》メレンスは鮮《あざや》かだから美《び》で江戸ツ子の盲縞《めくらじま》はジミ[#「ジミ」に傍点]だから美《び》でないといふ滅法《めつぱふ》の大議論《だいぎろん》に近所《きんじよ》合壁《がつぺき》を騒《さわ》がす事少しも珍《めづ》らしからず。好奇《ものずき》な統計家《とうけいか》が概算《がいさん》に依れば小遣帳《こづかいちやう》に元禄《げんろく》を拈《ひね》る通人迄《つうじんまで》算入《さんにう》して凡《およ》そ一町内《いつちやうない》に百「ダース」を下《くだ》る事あるまじといふ。
夫れ台所《だいどころ》に於ける鼠《ねづみ》の勢力《せいりよく》の法外《はふぐわい》なる飯焚男《めしたきをとこ》が升落《ますおと》しの計略《けいりやく》も更に討滅《たうめつ》しがたきを思
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