んでもありませんよ兄さん」
「なにか心配があるなら、ぼくにだけ話してくれないか」
「なんにもありません」
「いや、そんなことはない、みながそれで心配してるんだ、ぼくにうちあけてくれ」
「ぼくはね、兄さん」次郎はなにかいわんとしてくちびるを動かしかけたが、すぐ両眼《りょうがん》にいっぱいの涙をたたえ、「ごめんなさい兄さん、ぼくが悪いんです。ぼくが悪いんです」
「なにが悪いのだ」
 次郎はわっと泣きだした、それから富士男がなにをきいても答えなかった。
 一同がいろいろ苦心するにかかわらず、やっぱり食料は日一日とへっていった。このうえは大規模《だいきぼ》をもって食料|貯蓄《ちょちく》の方法をとらねばならぬと、富士男は決心した。かれはゴルドンとはかって、湖畔《こはん》や沼沢《しょうたく》や、森のなかに、ベッカリーやヴィクンヤ等の、大きなけものをとらうるにたるほどの、大じかけなおとし穴をつくることにした。
 年長組がこの大きなおとし穴をつくりつつあるあいだに、年少組はバクスターを首領《しゅりょう》にして、ヴィクンヤなどを入れておく小舎《こや》を建てることにむちゅうになった、小舎はサクラ号から持っ
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