「じょうだんじゃない、そればかりはかんにんしてくれ」
サービスはとうとう、だちょうの食料はいっさい他の人の手を借らずに、自分ひとりでほりあつめることにした。かれは寒い風に吹かれて、ほおをむらさきにしながら毎日毎日雪をほり、木の根をほった。年少組がそれを見て笑うと、かれは傲然《ごうぜん》としていう。
「いまに見ろよ、このだちょうは天下の名馬になるから」
七月九日には洞外の温度は零点以下十七度にくだった。だがこのときまきがすでにつきたので、一同は例のだちょうの森にはいって、まきをとることにきめた。それには例の工学博士バクスターの案で、食堂の大テーブルをさかさまに倒し、それを橇《そり》となしたので運搬《うんぱん》はきわめて便利であった。
協同一致の冬ごもりは、かくして安らかにうちすぎた。八月の末から九月になると、日に日に温度がのぼりゆき、平和湖の水面に春らしい風が吹けば、木々の芽《め》もなんとなく活気づいて見える。
「もう少しあたたかくなったら、遠征《えんせい》にでかけようじゃないか」
一同は毎日こう語りあった。日本人山田左門先生の地図は、かなりゆきとどいたものであるが、しかしそれ
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