の前には口をつぐむよりほかはなかった。
「そこでぼくは諸君に一言したい」
 と富士男は謹厳《きんげん》なる口調《くちょう》でいった。
「われわれ十五人の少年連盟の首領《しゅりょう》として、われわれが選挙する人物は、われわれのうちでもっとも徳望《とくぼう》あり、賢明《けんめい》であり、公平であるところのゴルドン君でなければならん」
「いやいや」
 とゴルドンは手をふって、「才知《さいち》と胆力《たんりょく》と正義は、富士男君を第一におすべきだ」
「いやいやそうじゃない、諸君、ゴルドン君を選挙してくれたまえ」
「いや、諸君、富士男君を選挙してくれたまえ」
 ふたりはひたいに玉のごとき汗を流して、ゆずりあった。
「どっちでも早くきめてくれ」
 とドノバンは不平そうにいった。
「ねえ、ゴルドン君、おたがいにゆずりあってもはてしがない、連盟の第一義は協力一致《きょうりょくいっち》だ、平和だ、親愛だ、その志《こころざし》について考えてくれたまえ」
 富士男はその眼に熱火《ねっか》のほのおをかがやかして、哀訴《あいそ》するようにいった。
「うん」
「大統領《だいとうりょう》という名目は、けっして階級
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