類一式。
 毛布、綿、フランネル、大小ふとん、まくら。
 晴雨計二、寒暖計一、時計二、メガホン三、コンパス十二、暴風雨計《ぼうふううけい》一、日本国旗と各国旗|若干《じゃっかん》、信号旗一式、大工道具《だいくどうぐ》、はり、いと、マッチ、ひうち石、ボタン。
 ニュージーランド沿岸《えんがん》の地図、世界地図、インキ、ペン、鉛筆《えんぴつ》、紙、ぶどう酒。
 英貨《えいか》若干《じゃっかん》。
 正午《ひる》ごろにモコウは、幼年組をつれて、たくさんの貝を拾って帰ってきた、モコウの話によると、岩壁《がんぺき》のところに、数千のはとが遊んでいるというので、猟《りょう》じまんのドノバンは、あす猟にゆくことにきめた。
 この夜は、バクスターとイルコックが、甲板《かんぱん》に見張りした。
 そもそもこの地は、はなれ島であるか、大陸つづきであるか、それをきわめることがもっともたいせつである。富士男は毎日その研究に没頭《ぼっとう》していたが、ある日ゴルドン、ドノバンのふたりにこういった。
「どう考えてもここは熱帯地でないように思う」
「ぼくは熱帯だと思うが、きみはなんの理由でそんなことをいうか」
 と
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