うた》とともに、活気が急に全員の顔によみがえった。
モコウはさっそく、サービスの手を借りて、じまんの料理をつくった。富士男、ゴルドン、ドノバンの三人は、もしも猛獣《もうじゅう》や蕃人《ばんじん》などが襲来《しゅうらい》しはせぬかと、かわるがわる甲板に、見張りをすることにきめた。
翌日富士男は、おもむろに持久《じきゅう》の策《さく》をこうじた、まず第一に必要なのは、食料品である。船の所蔵品をしらべると、ビスケット、ハム、腸《ちょう》づめ、コーンビーフ、魚のかんづめ、野菜《やさい》等、倹約《けんやく》すれば二ヵ月分はある。だがそのあいだに、銃猟《じゅうりょう》や魚つりでもっておぎないをせねばならぬ、かれは幼年組につり道具をやって、モコウとともに魚つりにだしてやった。
それからかれは、他の物品を点検《てんけん》した。
大小の帆布《はんぷ》、縄類《なわるい》、鉄くさり、いかり一式、投網《とあみ》、つり糸、漁具《りょうぐ》一式、スナイドル銃八ちょう、ピストル一ダース、火薬二はこ、鉛類《えんるい》若干《じゃっかん》。
信号用ののろし具一式、船上の大砲の火薬および弾丸《だんがん》。
食器
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