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日本   大和富士男(一五) 同弟次郎(一〇)
アメリカ ドノバン(一五) グロース(一五)
イギリス ゴルドン(一六)
フランス ガーネット(一四) サービス(一四) バクスター(一四)
ドイツ  ウエップ(一四) イルコック(一五)
イタリア ドール(一〇) コスター(一〇)
シナ   善金《ゼンキン》(一一) 伊孫《イーソン》(一一)
インド  モコウ(一四)
     猟犬《りょうけん》 フハン
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 船の名はサクラ号である。それは、富士男の父の所有する、スクーナーと称《しょう》する帆船《はんせん》で、この団体は夏期休暇を利用して、近海航行についたのが暴風雨《ぼうふうう》になやまされて、東へ東へと流されたのであった。
 サクラ号がゆくえ知れなくなったとき、一行の父兄たちは、死に物ぐるいになって捜索《そうさく》をはじめたが、なんの手がかりもえなかった。一ヵ月後にサクラ号としるした船尾《せんび》の板が、ある海岸に漂着《ひょうちゃく》したので、父兄たちはもう捜索の絶望《ぜつぼう》を感じた。
 市《まち》の人々は、涙ながらに少年たちの追善《
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