とつぜんさけんだ。
「煙だ煙だ」
「漁船の火だろう」とゴルドンがいった。富士男はするすると帆柱《ほばしら》にのぼってさけんだ。
「汽船だ!」
いかにもそれは汽船であった。船は八、九百トン、まさに一時間十一、二|浬《かいり》を走っている。少年らは手に手に銃をとって連発しては、また歓呼《かんこ》の声をあげた。汽船は銃声をきいてわが船に気がついたか、しずかに方向を転じてこちらに近づいた。
十分間ののちには少年らのボートは、勇ましく汽船の下につながれた。汽船の名はグラフトン号で、豪州《ごうしゅう》航行の中途《ちゅうと》であった。船長ロングは、さっそく一同を本船にむかえいれ、その遭難《そうなん》のてんまつをきいた。
「おうそれじゃ、一昨年ゆくえ知れずになったので、新聞をにぎわしたサクラ号の少年諸君が、ぶじであったのか」
船長はおどろいていった。
「そうです、それはぼくらです」
「よし、それでは諸君のために、航路を変じてオークランドに直航《ちょっこう》し、諸君を本国へ送ることにしよう」
情けある船長のとりはからいにて、これから一路|平坦《へいたん》砥《と》のごとき海上を談笑指呼《だんしょう
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