と富士男はいった。
「いや、全滅じゃない。だちょうの森でとり逃がしたロックとコーブがのこっている」
 とイバンスがいった。
「ともかくぼくらはドノバンを迎《むか》えにゆかなきゃならん」
 富士男はこういって足をかえした。一同はそれにしたがってもとの路へ帰り、ドノバンのたんかをになって洞へ帰ると、残りの少年たちはホーベスを洞へ入れて、ドノバンと同じく床の上に安臥《あんが》せしめた。
 この夜は終夜まくらもとにつきそうて看護《かんご》した。ドノバンはやっぱり昏睡状態《こんすいじょうたい》である。ケートはニュージーランド河畔《かはん》にしげっているはんのきの葉をつんで、それをついてこう薬をつくり、二人の創《きず》に塗りつけた。これは痛みをとるに特効《とっこう》があった。だがホーベスの負傷《ふしょう》は、急所の痛手《いたで》なので、この妙薬《みょうやく》も効験《こうけん》はなかった。かれは自分でとうてい助からないと知り、眼をかすかに開いて、ケートの顔をしみじみとながめていった。
「いろいろお世話《せわ》になりました、だがぼくはもうだめです。どうか少年たちにお礼をいってください。ぼくは死んで
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