、コスターを小わきにかかえて洞から出た。それをやらじとバクスターが狂気《きょうき》のごとくブランドにからみついている。
 この悽惨《せいさん》たる危機《きき》にたいし、モコウと他の少年たちのすがたが見えぬのはふしぎである。あるいはみな殺されて、洞内に倒れているのではあるまいか。
 海蛇とブランドは、ケートとバクスターをけとばして、もう川のほとりに出た。川にはブルークがすでに洞内からボートをぬすみだして、ふたりのくるのを待っている。もしかれらがふたりを人質《ひとじち》にとれば、あとはゆうゆう無理難題《むりなんだい》をしかけて十五少年を苦しめることになるだろう。
「ちくしょうめちくしょうめ」
 イバンスは歯をくいしばった。だが発砲《はっぽう》すると次郎とコスターにあたるかもしれない。心は矢竹《やたけ》にはやれども、いまやどうすることもできない。
「さあこい、わしにつづけ」
 イバンスは疾風《しっぷう》のごとく走った。海蛇とブランドははや川の岸にあがった。いま一足が舟のなかである。
「ああまにあわん」
 イバンスがこういった、その一せつなである。先頭に立った富士男の愛犬フハンは、もうぜん足を
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