帰国の便宜をうるためには、まず海蛇《うみへび》らの持っている、伝馬船をうばわねばならぬ、それには一戦はまぬがれないのである。
 敵は七人であるとはいえ、くっきょうのおとなどもで、食人鬼《しょくじんき》のごとくどうもうなる暴漢《ぼうかん》である、味方は数こそ多いが、筋骨《きんこつ》いまだ固まらざる十六歳に満つや満たずの少年たちである、これを思うと、だれもみな一まつの不安を感ぜずにはおられなかった。
 イバンスは、敵襲《てきしゅう》のばあいの防備をするために、洞の内外を巡覧《じゅんらん》した。洞はニュージーランド川に面し、平和湖の浜を左にひかえている。窓は矢間《やざま》の用をなし、ここには二個の大砲と、八個の旋条銃《せんじょうじゅう》が用意されているほかに、なお多くの武器がある。
 武器、弾薬、食料の豊富、それだけをたのみに、死守するよりほかに道がない。
 しかしかれら七名は、全部|凶悪《きょうあく》なものばかりだろうか。
「かれらのなかでホーベスは、良心を持っていると思いますが」
 とケートはイバンスにいった。
「いやホーベスは最初は善心であったが、いまでは良心がなくなっています。現にぼ
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