した。
 モコウがすばやく戸口にかけて耳をあてた。なんの物音もしない。
「なんだ、なんでもありゃしない」
 だが、フハンはいっそうはげしく戸をひっかき、はてはまりのように四|肢《し》をぶっつけて、ほえたてた。とごう[#「ごう」に傍点]然たる一発の銃声がひびいた。それは、洞から百メートルとは離れないところではなたれたものだ。
「アッ!」
 一同はがくぜんと顔を見あわした。ドノバン、バクスター、イルコック、グロースらの名射手《めいしゃしゅ》は、表裏の口をまもった。目をギラギラ光らして、一発のもとにいころそうと身がまえた。戸ぎわに大石が運ばれ、胸壁《きょうへき》がつくられた。
「助けて、助けて!」
 悲鳴《ひめい》が戸の外でした。
 ドノバン、バクスターは引き金に指をかけた。
「助けて」
 と戸がガタガタと鳴った。
「バクスター、ぬかるな!」
 とドノバンがいった。
「ドノバン! 待ってちょうだい! あの声は聞きおぼえがあります」
 とケートが、ドノバンの引き金にかかった手をとった。
「だれです?」
 と富士男が緊張《きんちょう》していった。
「早く! 戸をあけて……早く!」
 ケートはこう
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