すと、頭をめぐらして方角を見さだめた。目測《もくそく》で岸までは、約百メートルの見当《けんとう》だ。
「案外、近いぞ」
富士男はゆっくりと、得意の平泳ぎをはじめた。
一方、広場の一同は、意外のできごとにぼうぜん自失《じしつ》した。
「たこを追っかけろ、見失ってはたいへんだ」
とゴルドンがさけぶと、まっさきにかけだした。
「兄さん」
と次郎がつづいた。一同はバネじかけの人形のように走りだした。
「富士男君」「富士男さん」
先頭のゴルドンが、とつぜん足をとめてつったった。ドノバンがさけんだ。
「休んじゃいけない」
「いや、ドノバン、これから先は走れない」
「どうして?」
おいついたドノバンが前方をすかして「あっ!」とさけんだ。
「湖だね」
ふたりはまたしてもぼうぜんと腕を組んで、やみにほの白く光る湖をにらんだ。まもなくかけつけた一同も、ふたりの黙然《もくねん》たるすがたと、ほの白く光る水面を見くらべて太いといきをもらした。
「だめだ」
「チェッ! おれはなぜここに、ボートの用意をしておかなかったのだろう」
モコウが白い歯をがりがりかんでくやしがった。
「諸君!」
と水面を
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