角だけが、断雲《だんうん》のあいだに、三五の星がさんぜんとかがやいているばかりである。
「ああー 火だ」
と富士男は思わずさけんだ。東の一角に低く地上に横たわった雲が、赤く染《そ》めだされている、巨大な火に、雲があぶられてできたのだ、だがそれは島をはなれること幾十キロメートルの外である。
「連盟島をさる幾十キロメートルのかなたに、一帯の陸地があって、そこに噴火山《ふんかざん》があるのだ、その火光にちがいない」
こう思うと富士男は、先の日失望湾で見た、水天髪髴《すいてんほうふつ》のあいだに、一点の小さな白点を思いおこした。
「あれはやっぱり島だったのだ」
と、またかれは一道の火光を発見した、それは目下の、わずかに八キロメートルぐらいはなれたところにあった。
「失望湾の浜辺のあたりだ、いや敵は、浜辺と平和湖のあいだの、茂林なのかもしれない、そうすればこれはまさしく悪漢|海蛇《うみへび》の一行が、暖をとるたき火にちがいない」
かれはあいずの鉄環《かなわ》を落とした。鉄環はいくばくもなく、地上のガーネットの手に落ちた。
「あいずがあったぞ」
富士男の消息《しょうそく》を、おそしと待ち
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