吹いているからなんだ、ぼくはこんな絶好の機会が、しばしばあるとは思われない、あすも今晩と同じような天候と風勢があるかないかは、知ることができない、成功をいそぐように思うかもしれんが、ぼくはこの絶好の機会をのがしたくないんだ、だんぜん、決行したほうが得策《とくさく》のように思えるんだ」
決意が眉宇《びう》にあらわれて、目がギラギラと光った。富士男のことばはしごく道理である、だがだれも口を開こうとするものがない。
たこに乗って空中にのぼることは、いうにはやすく行なうにかたい。まかりちがえば、一命をすてねばならない。底深い沈黙《ちんもく》がつづいた。
「ゴルドン君、きみがだれか指名してくれたまえ」
と富士男が沈黙《ちんもく》を破った。
「いやぼくにはできない」
とゴルドンが悲しそうにいった。
「ぼくがゆきます」
と次郎はさけんだ、と、これにしげきされたように
「いや、ぼくを、ぼくを!」
とドノバン、イルコック、グロース、バクスター、サービスが同時にさけんだ。
「いいえ、兄さん、ぼくです、この大任はぼくがやるのが当然です、兄さん、ぼくにやらしてください」
「次郎君、きみは小さいんだ
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