直線にのびて、少しも張ったりゆるんだりしない、これは上方の風勢がさかんで、たこが傾斜《けいしゃ》せず、頭をふらず、つねに平衡《へいこう》をたもっているからである、糸は最後のひとまき三百六十メートルがのびた、地面をぬくことまさに二百数十メートルの高さである、試験の成績はこれで十分である。
「成功、成功だ、もうだいじょうぶ! おろしてもいいぞ」
と富士男がうれしそうにさけんだ。
絞車盤《こうしゃばん》は逆転《ぎゃくてん》された、だがのぼるときのわずかの時間にくらべて、おろすとなるとなかなかたいへんであった。一同はひたいに汗して一生けんめいにまいた。一時間ののち、大だこは巨体《きょたい》を地上につけた。
「万歳!」
またしても喝采賛嘆《かっさいさんたん》の声が、一同の口をついた。
「じゃ、このままにしておいて休もう」
とゴルドンが一同をうながした。一同は去りかけた。と富士男がゴルドンの手をとった。
「ゴルドン君、待ってくれたまえ、ドノバン君、ぼくは相談がある」
「なんだ」
とドノバンがたちどまった。
「ぼくらの試験はみごとに成功した、これは風勢が強からず弱からず、つねに一定の方向に
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