、フハンをつれてゆきます、寒くなったらきゃつをだっこします、ぼくの心を知ってくれるなら、フハンはぼくをあたためてくれるでしょう」
「おうなんとけなげな子でしょう」
 と寝台のケートがおきあがっていった。
「ゴルドンさん、つれていってやってくださいよ、神さまはいつでも正義の士《し》の味方です」
「ぼくもそう信じます、次郎君、いこう」
「ありがとう」
 と次郎が眼をかがやかして勇んだ。
 太陽の第一|箭《せん》が雲間を破って空を走った。このとき、次郎の愛撫《あいぶ》に身をまかせていたフハンが、両耳をキッと立てて鼻を鳴らすと、河岸《かし》を上手《かみて》へ走った。
「なんだろう?」
 とサービスが緊張《きんちょう》していった。
「かいの音がするぞ」
 とゴルドンが、川上をすかすようにしていった。
 かすかに水をかく音がする、とフハンが一声長く尾をひいてほえた、それは親しいものによびかける歓喜《かんき》をあらわすほえ声だ。
「帰ってきたぞ」
 一同は目をかがやかし、川霧のこめた川上をじっとみつめた。
 フハンのほえ声はだんだん近くになる、ボートと平行してくだってくるのだ、一同は緊張《きんちょう
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