あかつきの空をさして飛んだ。モヤモヤと川霧が立ちのぼって河が乳白色にぼかされてゆく。かいの音はまだきこえない。
「遅《おそ》いな」
とガーネットがいった。
「なにかまちがいがあったのじゃなかろうか」
とサービスが不安そうにいう。
「ぼくは兄さんを信ずる、だいじょうぶだ」
と次郎がフハンの鼻をなでながら力強くいった。フハンは次郎のひざにうずくまって眼を細めていた。
富士男とモコウが出発したのち、万一をおもんばかったゴルドンは、年長組のガーネット、サービス、バクスターとはかって、河を見張《みは》りすることにした、意見は一致した。
「だが、バクスター君だけは、幼年組の保護《ほご》のために残ってくれたまえ、でないと幼年組が心細《こころぼそ》がるだろうから」
「そのかわりにぼくがゆきます」
と次郎がいった。
「いや、幼年組はとどまってもらう、夜気にあたって病気になったらたいへんだからね」
とゴルドンがやさしくいった。
「いや、ぼくの身になってください、ぼくはじっとしていられないんです、兄さんにだけ危険をおしつけて、弟がどうして安閑《あんかん》とできましょう。ぼくは病気にならないように
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