さけんだ。
ボートから十メートルほど左の、引《ひ》き潮《しお》がのこした海草の上に、二個の死体が、一つはあおむけに、一つはうつぶせに横たわっている。
あまりのおどろきに、一同はしばし声もえたてず、石像のごとく立っていた。
「何者だろう」
とドノバンが小声でいった。
一同は顔を見あわした。恐怖《きょうふ》と好奇《こうき》の無言のうちに、四人は死体のほうへすすんだ。死体は十数メートル先にほの白く光っていた。みだれた髪《かみ》が白蝋《はくろう》の顔にへびのようにくっついている。ぞっと戦慄が身内を走った。「ワッ!」と悲鳴をあげたウエップが、とつぜんかけだした。浮き足だった三人もつづいてかけだした。ぶなの林のなかに逃げこんで、一同はホッと息をついた。嵐《あらし》はいつやむ気配《けはい》もない。夜のやみにゴウゴウと林の鳴る音がものすごい、烈風にまきあおられた砂が、小石を混《こん》じてつぶてのように顔をうつ。一同は生きた心地もない。
「みんな手をにぎろう」
とドノバンがいった。一同はかたく手と手をにぎりあった。
雨がようやく小降《こぶ》りになった。東の空にあかつきの色が動きそめた。恐怖《
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