」
「ね、ゴルドン君、きみも知ってるように、ドノバン一|派《ぱ》は、ぼくが命令するといつもいやな顔をする。思うにかれらの不満は、ぼくの一身にこころよからざるところから発するのだ。ぼくは大統領の職《しょく》を辞《じ》そうと思うよ、ぼくが現職にあるために連盟の平和をみだすようになっては心苦しい。きみかあるいはドノバンにゆずったら、不和の根が絶えて、連盟はもとの平和にかえると思うんだ……」
「いや!」とゴルドンはカッと目をみひらいていった。「富士男君、それはきみの平生《へいぜい》ににざる言だ、もしそのようになったら、きみはきみを選挙した一同の信頼を、なんによってつぐなうのだ。なんによって一同に対する義務をつくそうというのか」
ゴルドンの言は富士男の胸を強くうった。
「そうだ、ぼくは自分の重大な責任をのがれようとした、信頼されたら水火《すいか》をも辞《じ》せないのが、日本人の気性《きしょう》だ、困難《こんなん》がかさなればかさなるほど、それにたえて打ち破ってゆかなければならないのだ」
こう思うとかれは胸が軽くなるのをおぼえた。
「ゴルドン君、ありがとう、ぼくは全力をつくしてあたるよ」
「た
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