《ぼっぱつ》した。
分裂《ぶんれつ》
暖気がにわかにまわって湖水の氷が一時にとけはじめた。島に二年目の春がおとずれたのだ。天は浅黄色《あさぎいろ》に晴れて綿雲《わたぐも》が夢のように浮かぶ。忍苦《にんく》の冬にたえてきた木々がいっせいに緑《みどり》の芽《め》をふきだす。土をわって草がかれんな花をつけた。金粉《きんぷん》の日をあびて小鳥が飛びかい、樹上に胸をふくらまして千|囀《てん》百|囀《てん》する。万物がみないきいきとよみがえったのだ。それにもまして喜んだのは長い冬ごもりに、自由をうばわれていた少年連盟である。幼年組も年長組も一団となって洞穴をぬけだし、春光まばゆい広場で思う存分にはねまわった。
ワッという笑い声が広場の一角にわいた、走りはばとびのスタートをきったモコウが、コースのとちゅうでつまずいて、まりのようにころんだのだった。かれはすばやく起きあがると頭をかきかき新しくスタートをきりなおした。急霰《きゅうさん》のような拍手《はくしゅ》が島をゆるがす、小鳥がおどろいて一時にパッと飛びたった。一同はまるでなつかしい校庭で遊びたわむれているときのように競技にむちゅう
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