が大統領になったのをきみはどう思うか」
「ぼくはひじょうにうれしいよ、兄さん」
「どうして?」
「兄さんが大統領になったから、どんな用事でもだれにでもいいつけられるだろう、そうすると兄さん……これからいちばんむずかしい仕事があったらぼくにいいつけてください、ぼくは命をすててもかまわないから」
富士男はにっこり笑っていった。
「よくいってくれたね次郎君、じつはぼくもそう思っているのだ」
サクラ湾頭《わんとう》に立てた旗《はた》がさんざんに破れたので、蘆《あし》をとって大きな球をつくりそれをさおの先につけることにした。八月といえば北半球の二月である。寒暖計の水銀は零《れい》点下三十度にくだる日が少なくなかった。少年らは終日《しゅうじつ》室内から一歩も出ることはできない。かれらは喜んで富士男の指揮《しき》にしたがった。一同がもっとも感激《かんげき》したのはゴルドンの態度《たいど》であった、かれは大統領の任を富士男にわたすとともに率先《そっせん》して他の少年とともに富士男の号令に服従して、もっとも美しき例をしめした。
が、人心はその面のごとく異《こと》なる。少年連盟におそるべき事件が勃発
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