う》だ、淡白《たんぱく》だ、どんな人とでも胸をひらいて交《まじ》わることができる。しかるに米国人たるドノバンはいつもにごっている。ぼくは日本をほこるのじゃない、米国をののしるのじゃない、しかしきょうこんなさわぎになったのをみて諸君の公平な眼で見た裁判《さいばん》に一任する。ぼくが正しいか、ドノバンが正しいか、ジャップたるぼくが正しいとすれば、ヤンキーたるドノバンはのろわれねばならん、そうしてその国の名誉《めいよ》もけがされねばならん」
「そのとおりだ」
 とゴルドンはげんぜんとしていった。
「ドノバン君、あやまりたまえ」
「いやだ」とドノバンはいった。「きみはいつでも富士男君のかたをもつんだね」
「富士男君は正しいからだ、ぼくは連盟の総裁《そうさい》として正しきにくみするだけだ、どう考えてもきみは悪い」
「悪くないよ」
「まあ待てよ、きみはいま昂奮《こうふん》してるから、とにかく森のほうへでも行って熱気《ねっき》をさましてきたまえ、富士男君もそれまであまり追究《ついきゅう》せずにいてくれたまえ」
「ぼくはいつでもドノバン君と握手《あくしゅ》したいと思っているよ」
 と富士男はいった。

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