まとみんぞく》特有《とくゆう》のまっ黒なひとみからつるぎのごとき光がほとばしりだした。
「もういっぺんいってみろ」
「ジャップは卑劣だ、有色人種は卑劣だ」
「こらッ」
 富士男はドノバンの腕をぐっとつかむやいなや、右にひきよせて岩石《がんせき》がえしに大地にたたきつけた。それはじつに間《かん》髪《はつ》をいれざる一せつなの早わざである。他の少年たちはただあっけにとられて眼をぱちくりさせた。
「もういっぺんいう勇気があるか」
 富士男はぐっとそののどもとをおさえていった。がこのときゴルドンが急をきいてかけつけてきた。
「どうしたんだ、まあよせよ」
 かれは富士男をひいて立たしめ、それから赤鬼のごとく歯がみをして立ちあがったドノバンの腕をしっかりとつかんだ。
「どうしたんだ、きみらにはにあわんことをするじゃないか」
「ぼくは卑怯者《ひきょうもの》を卑怯だといったのに富士男は乱暴《らんぼう》をした」
 とドノバンはいった。
「それはいかん、きみが富士男君を卑怯者だといったのが悪い」
「しかしかれは腕力《わんりょく》に……」
「侮辱的《ぶじょくてき》のことばは腕力よりも悪いよ」
「そんなことは
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